未来観測
帰りのバスの中。
試合に勝った部員たちのテンションとは裏腹に、あたしの気持ちは最悪な状態だった


浅岡さんの楽しそうな声と、それに答える彼の声。
周りの“お前たち本当に別れたのかよー”なんていう冷やかしにも納得できるほど、二人はとても仲の良いカップルに見えた



「高岡先生、よかったら家まで送りますよ?」


「え?」


林先生に話し掛けられて初めて、自分がどんなにひどい顔をしていたか気付かされる


「顔、真っ白だから。やっぱり体調悪いんでしょ?
俺学校に車停めっぱなしなんで…ね?」


「…すみません。
何かちょっと疲れちゃったみたいで」


「いえ。
俺が無理矢理連れてきちゃったようなものだし。
遠慮しないで下さい」




こんなことだけで…馬鹿な自分。

気にしすぎだって分かってるのに、どうしても見て見ぬふりができない

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