未来観測
もちろんあたしはこう言った

今までの三年間は何だったの?って。
でも
言ってて痛感してしまったんだ

もうあたしは彼に何の未練もないことを。
あたしはどこか
こういう風に彼から別れを告げられることを、望んでいたんじゃないかって




彼と別れた次の日

何も変わらない日常が戻ってきたことが
何よりも嬉しかった

通常通り授業をして
生徒の小さな相談にのって
いつもの様に上司に小言を言われて


こんな単純なことに、大きな安心感を覚えてる自分がいた



だってそうすれば。

いくらあたしの心が虚しさでいっぱいになっても
泣くことが許されないくらい

やらなきゃいけないことも
終わらせなくちゃならないこともたくさんあったから



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