未来観測
そんなことを考えている内に

いつの間にか時間は過ぎ

とうとう待ちに待ったあの日がやってきた



先生の住んでいるマンションは、俺の地元から40分ほど電車に揺られた閑静な住宅街の一角にあった

緊張した面持ちでチャイムを押し

先生の姿を待つ


朝から何度も選びなおした服。

ちょっとでも大人っぽく見られたくて大学生の兄貴の服をこっそり借りてきた

先生の隣にいても恥ずかしくないように

学校とは違う立場の自分でいたかったから



目の前の扉が勢いよく空く



「いらっしゃい。

早かったね。入って」



黒いシンプルなワンピースに

いつもは一つにきっちりと結んである長い髪が

さらりと肩まで落ちていた


はっきりと映る身体のラインと

先生が動く度に揺れる綺麗な髪に俺は釘づけになる





何だよ。これ。

可愛過ぎるよ、先生


すげー良い意味でギャップがありすぎる



「うん。お邪魔しま~す。」



そんな俺の動揺を知ってか知らずか

先生はにっこりと笑って俺を部屋へと導いた

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