未来観測
先生の部屋はすごくシンプルで

石鹸なのか柔軟剤なのか分かんないけど、すごくいい匂いがした


「ごめんね、何かちらかってるでしょ」


「ううん。
思ってたよりずっと綺麗だよ」


思っていたことをそのまま言うと

先生は拗ねたように文句を言いながらも

今日一生懸命片づけたんだよ?なんて余計な可愛い一言をつけた



やばい…

なんかもう…




「そうだ!

お腹空いてるでしょ?

あたしちゃんとご飯も作ったんだ~」


そう言いながら得意げにお皿を並べ始める先生をよそに

俺の頭はとにかく一つのことでいっぱいだった


ダメだダメだ。

とりあえず今は飯だけに集中するんだ。


そう自分の心に強く言い聞かせる


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