未来観測
「先生、料理上手いじゃん。
俺てっきり先生は家事できない人だと思ってた」


目の前に並ぶ品数の多さに驚きながらも

俺は素直な言葉を並べた


「え?何それー?
あたしだって頑張ればこんくらい出来るんだから」


「すごいすごい。
ますます俺、先生のこと好きになった」



あまりに素直になりすぎた俺の言葉に

先生はさっと顔を赤らめ、あたふたと時計を見始める


…先生。分かりやすすぎるよ。



「ひ…寛人、そういえば時間平気?」


くすっと笑った俺を少し睨みながら、先生は少し心配そうに俺を見る


「うん。今日親いないし。」


「え?」


「二人で旅行だって~。
俺も昨日聞いたばっかでびっくりだよ。

あ…。
だからって別に、今日狙って先生の家来たとかじゃないからね」


優等生ぶった答えに先生は「分かってるよー」とお決まりの返事を返す


そんなのウソなのに。

本当は完全に狙ってた。

先生がそれなら…って言ってくれることをどこかで期待してた


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