未来観測
台所からお皿のぶつかり合う音が聞こえる

花柄のエプロンをした先生の後ろ姿を見ながら


この幸せが。

この大きすぎる幸せがずっと続けばいいのになんて

そんなことを考えてしまう自分が嫌になる



「あ~。
もうダメだ。
俺もうダメ」


「んー?どうかした?」


不思議そうに洗い物をしながらこっちを振り向く先生に

俺はわざと悩ましげな顔をして訴える


「…先生。可愛過ぎ」


ゴトンッとお皿がシンクにぶつかる音が響いた

よし。この調子だ



「な…突然何?」


「色々反則だよ。

ていうか、先生分かってる?
俺一応男なんだけど」


「え?…うん。」


「だからー。

何ていうかね、男が部屋に来る時そのワンピースはダメだって。
せっかく色々抑えて来てんだから」



黒いミニワンピをさっと隠すように手で押さえた先生は

あまりにも分かりやすいくらいに動揺してる


あぁーもう。

そんなの襲って下さいって言ってるようなもんだろ


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