未来観測
「な…何言ってんの!
泣くわけないでしょ!」


「うそー。
さっきは泣きそうだったくせに」


「は!?
せ…赤谷君の勘違いだよ。」


「…ふ~ん。
まぁそういうことにしといてあげるよ」


勝ち誇ったようにあたしを見る彼の瞳に
何となく自分の負けを認めざるをえない状況だったけど

あたしは見て見ぬふりで
その場を切り抜けた



「ねーせんせー。」


「ん?
なにー?」


「もうすぐこの補習始めて一カ月が経つじゃん。」


「…あぁ。
そういえばそうだね」


当初の彼との約束は一か月。
彼が言っていた模試は明後日に迫っていた


「そのさ…
明後日の模試のことなんだけど」


「うん?
どっか分かんないとこでもあった?」


すると彼は一度だけ姿勢を正し
あたしを真っすぐに見つめると

ゆっくりと口を開いた



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