未来観測
空気が肩に触れた後
あたしはその場で泣きだしたい気分に陥った
でもダメ。
今は絶対にダメ。
「俺…
先生と付き合ってから、先生のこと興味本位だなんて思ったことなかった。
でも先生には全然伝わってなかったんだね。」
彼はそう言うと
あたしに背中を向けてゆっくりと
教室から出て行った
分かってるよ。
そんなの痛いくらいに伝わってた
だけどね。
ずっと苦しかったんだ
“君がもし後五年早く生まれてたら。”
もう何百回
ううん。
何千回、何万回考えたかも分からない。
だけど五年。
そのたった五年が
あなたとあたしとの
永遠の距離だったね