未来観測
♪♪♪♪〜…


真夜中の突然の着信に
身体全体が大きく反応する
まさかこんなに早く返信が来るなんて思ってもみなかったから。


夏休みが始まる前。
あの英語教員室に置いてあった彼のメールアドレス。
つい数分前。
あの時、絶対に使わないと決めたその紙を手帳から引っ張り出したあたしは
彼宛にメールを送ったのだ。



恐る恐る携帯に手を伸ばす
心臓が暴れて
手がブルブルと震えた


“先生?”
そんな言葉で始まった文面。




“先生?
本当に先生だよね?

先生のことだから絶対シカトすると思ってた!笑

俺今めっちゃ半信半疑でメール打ってます(笑)

怪我はね、大丈夫。
だから心配しないで。

てか久々の部活で骨折って…
俺かっこ悪いね(:_;)


先生に会いたいなー”




何だかまとまりのない文章。
そう思って笑みのこぼれた自分に何だかほっとする



あたしも会いたいよ。



そう返信できない自分が
今は何だかものすごくもどかしい




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