未来観測
彼の怪我は全治一ヶ月という、骨折の中では軽傷のものだった



学校からの帰り道。

心では彼の姿を見に病院に行きたい気持ちでいっぱいだったけれど
あたしは臆病者だから、やっぱりそんなことはできなかった


彼に嘘の言い訳をつけて、面会に行けないことをメールで告げる

会いたい。
だけど会えない。


そんな葛藤で心が揺らぐ。


あたしはいつから、こんなにも彼でいっぱいになってしまったのだろう。

きっと恋に恋してるだけ。

そう言い聞かせながらも、どこかで彼からのメールの返信を期待してる自分がいる



…あぁ。
だめだめ。
こんなことじゃだめだ。
この想いは忘れるって決めたんだから。


そんなことを一人で自問自答していると、突然手の中にある携帯がけたたましく鳴った


ディスプレイに表示される知らない番号。


一体誰だろう…?



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