未来観測
一瞬の沈黙が何分にも
何時間にも感じられた



しまったと思ったのはほんの数秒後。

あたしは何てことを口走ってしまったのだろう



「じょ…冗談だよ。
変に無言になるからびっくりしたじゃーん」


なるべく明るく
本当に冗談だよっていう意味を込めて言葉を発したつもり。

本気にとられたら、それこそ冗談どころの騒ぎじゃない


ドキドキと胸の音が鳴る





すると突然彼の大きなため息が聞こえた

やっぱり怒った?
そんな不安でいっぱいになるあたし。




「分かってるよ、冗談だってことくらい」




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