未来観測
視線が泳ぐ
今…何て?


「最初はさ。
正直興味本位だった。

始業式の時初めてせんせーのこと見て。
単純にかわいーなー、と思って…
補習頼んだのも何となくだったんだよね」


遠くで体育の授業の声が聞こえる
今となっては別世界のように感じるこの教室に、唯一聞こえる現実。


「でも一ヶ月この教室で一緒に勉強して…
何がきっかけとかそういう理由って未だに分かんないんだけどさ。
いつの間にかせんせーのこと好きになってた。
気付いたらもう止まんなくて…

ごめんね、先生。
電話とかメールとか迷惑だったでしょ?」


少し苦笑いを向ける彼に
あたしは必死で首をふった


「…先生のこと困らせたかったわけじゃないんだ。
ただ俺のこと、少しだけでいーから男として見てほしかった。」




胸が締め付けられる

すぐにでも自分の気持ちをぶつけてしまいたい

そう思うのに
身体がいうことを聞いてくれない




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