未来観測
「…先生?」


言いたいことだけ言い切ったあたしは
ふと我に返る

あたし…今何を口走っていたのだろう。


「あ…えと…
違うの。
今のは…忘れて。」


しどろもどろになるあたしに対し
真剣な表情を返す彼。


「忘れるなんて無理だから。
先生の気持ちって?
どういうこと?」



彼の発言を聞き、改めて思う。

…あー。
何てことをしてしまったんだろう。と

後悔しても遅すぎる今に、更に後悔の念が押し寄せた


“好き”だなんて
あたしが口に出していいはずないのに。



「…せんせー?
答えてよ」



そんな子犬みたいな目で見つめないで!

言葉には出せない心の叫びと共に
胸の奥をぐっとわしづかみにされた気分になる



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