未来観測

秘密

俺たちの出会いは
“出会い”なんてわざわざ語るほど大それたものじゃなかった




「やっべ~。
南の課題すっかり忘れてた」


「まじで?
お前今回の成績終わったな」


そう言って俺の隣で豪快に笑うのは
親友の海人。


「今から出しても間に合うかな?」


「いや~。
あいつが課題遅れて出した生徒を、許したとこ見たことないけど」



俺たちの英語の担当教師。
南三郎。

いかにも昔ながらの教師って感じで
めちゃくちゃおっかない。

いつもなら笑って済まされるこんな事態も
今の俺にとっては洒落にならなかった。


「やべーよなー。
俺三年の成績に命かけてんのに」




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