未来観測
「そういやお前って推薦狙いだっけ?
かわいそ~にな~」


自分はとっくに課題を出したからだろう

余裕な顔つきで携帯をいじる海人にイラッときた俺は
やつの頭を軽く殴って教室を後にした




手には締め切り時間が終わった課題のノート。
一昨日必死でやったにも関わらず、肝心の提出を忘れるなんて…

自分のアホさ加減に情けなさを感じながらも
俺は恐る恐る職員室の扉を開けた


「あの~…
南先生っています?」


ちょうどタイミングよくいた担任にそう尋ねる


「あれ?さっきまでいたんだけどな~
もしかしたら英語教員室じゃない?」


「了解でーす。」




担任の言葉を信じ
旧校舎に位置する教室に向かう


「あれー?
鍵開いてねーじゃん」



もしかしたらどこかですれ違ったのかもしれない。

そう思った俺は大人しく教室の前で待つことに決めた





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