未来観測
コンコンと廊下に響く靴音。
今現在、旧校舎はほとんど使われていないせいか
少しの物音でもやけに大袈裟に響くのが、妙に気味悪く感じる

やっと来たか・・・そう思いゆっくりと腰を上げると
そこには予想とは違う人物がいた



「どうかした?」



あ…
この人…

俺が少しの間彼女の顔を見つめていると、何も言わない俺を不審に思ったのか。
明らかに彼女は困惑の表情を浮かべた


「誰か先生に用?」


そこでようやく我に返った


「…あ、はい。
南先生っています?
俺今日課題出すの忘れちゃって。」


「南先生?
あー。今日はもう帰っちゃったかもなー
よかったらあたしが渡しとこうか?」


まじ?ラッキー!
心の声が表に出そうなのを必死に抑えた



「え!まじっすか?
でもその課題今日までなんですよね…
やばいかなー。」




< 80 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop