未来観測
すると不安がる俺とは対照的に
俺の顔を見てクスッと笑う彼女。

俺が不思議そうにその様子を見ると
少し慌てながらもすぐに緩んだ頬を引き締めた

今度はその様子に俺が笑いそうになる



「南先生厳しいからね〜」


「…ですよね。
やっぱもう無理かー。」



無駄に落ち込んだフリをしてみる

そうすると彼女はぐっとまゆげをヘの字に曲げて
少し考えてからゆっくりと口を開いた


「…うーん。
本当はダメなんだけど…
今回だけは、あたしから上手く言っといてあげるよ。」


「え?本当に!?
わー!
先生ありがとー!
俺この課題出さないと、今回の成績やばくってさ。」


「今回だけだからねー」




何か面白い先生。
それが彼女の第一印象だった



そう。
これが俺と先生との“出会い”。

別に何の変哲もない
一人の教師と一人の生徒の出会いだった




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