未来観測

「あ！
そういやさ…
今年英語で新任の教師来たじゃん？
あの女の先生って何て言うか分かる？」


「新任？
あ！もしかしてえりちゃんのこと？」


「…えりちゃん？」


いきなりテンションの上がったリエに少しビックリしながらも
俺は彼女にそう尋ねた


「うん！
高岡えり先生。
みんなにえりちゃんって呼ばれてるの」


「へー。
てかお前、その高岡先生に英語習ってんの？」


「ううん。
でも仲良しだよ〜、えりちゃんとは。
いつも相談乗ってもらったりしてるから。
それにね後輩が言ってたんだけど、えりちゃんの授業ってすごい分かりやすいんだって！
羨ましいよね〜」




リエの延々と続く話しに耳を傾けながらも
俺は頭の隅で昨日の彼女の姿を思い出していた

ー高岡えりー
そんな名前だったか。



始業式の日。
眠そうに欠伸ばかりしていた海人が、突然壇上を指差し大きな声をあげた


「おい！寛人見ろよ！
新任の英語の教師！
めちゃめちゃ俺のタイプ！」


異様なテンションの海人に
多少のめんどくささを感じながらも
俺は壇上の方に視線を向けた