未来観測
キーンコーンカーンコーン
いつも通りのチャイムで目を覚ますと
机の前にはニタニタと笑う海人がいた
「…何だよ」
「いや~。
次、南の授業だなぁと思ってさ。
もうどんな風に寛人君がいたぶられるのかと思うと…
胸が締め付けられて…。」
大袈裟に泣く振りをする海人の言葉に
思い出したくもない現実を思い出す
そうだ。
昨日例のえりちゃんに課題を委ねたのはいいものの
それであっさりと南が許すとは思えない
授業でたっぷりと一時間。
ネチネチと文句を言われるのがオチだろう
「俺、次の授業さぼろーかな…」
そんなことを言っていると
偶然なのか
必然なのか
少し早目の時間に南が教室に現れた
「おい。赤谷!
ちょっと来い」