未来観測
終わった…
俺の英語の成績さようなら。

そんなことを思いながら南の元に
重い足を進める



「お前課題出すの遅れただろ?」


「…はい」


半日くらい許せよ、この頑固じじぃ。


「俺は朝のHRまでって言ったよな?」


「…はい」


分かってます。分かってますよ。もう十分身に染みて分かってますから。


「こういう措置は今回だけだからな」


「…はい。」


何だよ、その恩着せがましい言い方は。


「分かったならもういい。
今度から気をつけるんだぞ」


「…はい。」


だーかーらー分かってるって言ってんだろーが!…って…え?


「何だその顔は?
ほら。席につけー。授業始めるぞー」




いやいやいやいや。
ありえない。
このネチネチ教師が“今度から気をつけるんだぞ”なんかで終わるはずがない

あまりの衝撃(大袈裟に聞こえるかもしれないけど、本当なんだって!)に呆然としながら席に着く


「お~い。
何て言われたんだよ、寛人君」


おそらく海人は俺がこってりしぼられたとでも思っているのだろう。
いつものにやにや顔で俺の話しを待っている






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