未来観測
「残念だけど、お前の思ってるようなことは何もなかったよ」


半ば放心状態のままそう海人に告げると
やつも驚いたように眉をひそめた

そりゃぁそうだろう。
こんな南、今まで誰も見たことないのだから。


「まじかよ~。
お前南に課題渡す時、何か裏技でも使った?」


「・・・いや。」


「何だよ、その空白」



あえて言うならば、思い当たる節が一つだけある
“高岡えり”
あの教師だ。


「いや、普通に渡しただけだよ。
俺いつの間にかあいつのお気に入りになってたのかなぁ?」


そんな風に冗談を飛ばすと
海人は心底不快な顔をして、だらしなく舌を出した



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