未来観測

何となく記憶の片隅に留めたその名前に
意味もなく胸がざわついたけれど
その時のあたしはまだ何も分かっていなかった


ノートの中身には乱雑な英語の文が
所狭しと書きなぐられていて

焦ってやったんだろうなぁ、とか。

あ。ここ間違ってる、だとか。

男の子のノートだなぁとか。…


さっきの彼の表情みたいに
あたしを何度も笑顔にさせてくれた




きっと誰に対してもそうなのだろう。
あの少年の人懐っこい笑顔と
好感の持てる雰囲気を
あたしはもう一度思い出してから


いつもの様に
山積みになっている仕事にとりかかった



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