未来観測
そのきっかけはある朝だった

日直だった俺は職員室に日誌を取りに行くついでに
先生の姿を探していた

偶然会えたらいいな、なんて思いながら周りをキョロキョロと見回していると
本当に偶然目の前に先生がいて
俺のテンションは一気に上がった



「せんせー。
おは・・・」



肩にスーッと冷たい風が通る

なぜかって?
・・・だって。

彼女は俺に気付かず
それとも故意に?
見事に俺の挨拶をスルーして職員室を出て行ってしまったのだ

いつもなら明るく挨拶してくれる先生のあんな顔
今まで一度も見たことなんてなかった


少しだけ泣き腫らした目に
落ち込んだ顔。


先生・・・。
何があったんだよ



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