未来観測
その日の補習は
少しだけ早い時間に教室に着いた

もういてもたってもいられなくて
この心のもやもやを早く取り除いてしまいたかったから。


少しきしむ扉を開けると
そこにはいつも通りの先生がいて
俺に向かって笑顔を向ける


「どうしたの?
そんな急いで。
何かあった?」


「・・・いや」


「すごい息切れじゃん。
待って。
今お茶いれてあげる」


少し笑いながら
そそくさとお茶の準備をする先生を見て、何だか拍子抜けした

何だ。
全然いつも通りじゃん。

もしかして俺の勘違いだったのかも・・・


「はい、これ。
落ち着いたら補習始めよ」


本当にいつも通りすぎる空気が
この教室に漂っていて
不覚にも安心してしまった自分がいた



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