未来観測
「ごめんってー。
で?何だっけ?」


そして俺は先生を勝手に心配していた理由を
淡々と話した

あの沈んだ表情の意味を
先生が涙を流した理由を

なぜだか今、無性に知りたかったから。


先生は俺の話しを聞きながら
少しずつ涙腺を緩め
だけどそれを必死に耐えていた


「泣きたいなら泣けばいいのに」


そんな意地悪を言うと
彼女はふっと笑って
「…大丈夫。
ごめんね、ちょっと昨日色々あって…。
だけどもう大丈夫だから」
なんて強がりを言った


何だよ、それ。

その後どうにか彼女の涙が見たいなんて思ってしまった俺は
何とか彼女を泣かしてやろうと必死になったけれど

いつもの様に照れて真っ赤になった先生を見て
何だかそれだけで満足してしまった自分がいたんだ




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