EMERALD
キッチンで振り返り、世羅がみちるに声をかける
「そりゃ、皆お姫様に憧れるもん。世羅は違うの?」
「憧れても、手は伸ばさない。それに、彼はお嫁さんを探しに来たわけじゃないでしょう?恋なんて、しないと思うわ」
世羅が背を向けると、みちるがつまらなそうに頬を膨らませた
「みちる、暇なら手伝って」
「え~・・・、私料理苦手だよ?」
「人参の皮くらい、剥けるでしょ?」
皮つきの人参を手渡されて、みちるは渋々皮を剥き始めた