EMERALD
《先程からずっと、声をかけていました》
《そ、そうか・・・。僕が気づいていなかっただけか・・・》
自身の失態に気づいて、レオナードは小さなため息をつく
《心ここにあらず、という感じですね。世羅嬢のことですか?》
《・・・・・・・・・ッ!》
《どうして分かったんだ、そんな顔ですね》
無邪気に笑って、ジャンはレオナードの隣に立つ
夜景が素晴らしくて、自然と笑みが浮かぶ
《長いこと、殿下の傍で仕えて来たんです。殿下が何を考えているかくらい、分かりますよ》