EMERALD
AQUAMARINEは誘う
後悔している
あんな馬鹿みたいなことを、言ってしまうなんて
「ふぅ・・・」
夏休みの課題と向き合いながら、世羅はため息をつく
普段なら、あんなこと言わないし、思わない
・・・彼のせいだろうか?
異国の王子は、人のリズムを容易に崩す
それなのに、人のリズムを容易に掴む
生まれもった気質なのだろう
「世羅、お母さんもうすぐ出るわね」
母・七緒が、スーツ姿で部屋の入り口に立っている