EMERALD


桃色の、可愛らしい珊瑚

素直に嬉しい


「もうすぐ、陽が落ちるね。・・・戻ろう?」


差し出された手に、世羅はレオナードの顔を見上げる

他意はないのだろう

すんなりと差し出された手

世羅は少し迷いながら、レオナードの手に、自身の手を重ねた


波音が遠ざかる

手の中には、桃色の小さな珊瑚


重ねた手は、暖かかった


< 193 / 627 >

この作品をシェア

pagetop