EMERALD
手を伸ばそうとしたけど、それだけ
触れようとはしない
それ以上を望んでも、何も得られはしない
「そんなの、分かんないよ?可能性、1%くらいあるんじゃないの?」
「ないわ。すべてが違うの。住む世界も、見ている世界も、何もかもが違う。身分不相応なことは、望むべきじゃないでしょう?」
生クリームをスポンジにぬりながら、世羅は答える
「・・・相手はベルンハルツの王子、ってわけ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」