EMERALD
首をかしげるマリアに、レオナードは顔を上げる
《セーラですよ。セーラ ヒムカイ》
《世羅ちゃん?・・・そう、そうなの・・・・・・》
レオナードの答えに、マリアはしばらく考え込み、楽しげに笑った
《どうかしましたか?》
《いいえ。・・・届かない恋、ね。告白してみたらどうかしら?》
マリアの提案に、レオナードは微笑んで首を振る
《僕は、いづれ国に帰ります。この気持ちは、鍵をかけて思い出にすることにします》