EMERALD


邸宅の前まで来て、世羅は思いとどまる


「よくよく考えたら、自宅まで来るのって、失礼なんじゃ・・・」


菓子折りも何も、持ってきていない

それに何より・・・


「会いたいみたい、じゃない?」


急に恥ずかしくなって、世羅は踵を返す


「帰ろう。帰るのよ、私」


恥ずかしさを紛らわせるために、世羅は一人言を繰り返す


「セーラ・・・?」

「ひゃあっ!!!」


急に聞こえた声に、奇声を発してしまった


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