EMERALD


用件は済んだし、素早く立ち去らなくては


「送らせるよ、待ってて」

「大丈夫よっ。電車もバスも、まだあるし」


送ってもらう必要はないと、必死に伝える


「折角来てもらったお客様なんだ。きちんと、家まで送らせるよ」

「・・・・・・・・・・・・」


これは、何を言っても無駄なようだ

外国人なのに、日本語がとても上手いレオナードに、世羅は言葉で勝てる気がしない

多分、彼が放つ高貴なオーラに負けているのだ

心が

・・・・・・多分


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