EMERALD
「人の恋路を邪魔するなんて野暮なこと、私はしないよ。けどね、その思いが一途で、純粋であるほど、傷ついたときの傷も深いんだ」
美優は空になった湯飲みから、世羅へと視線を移す
「日向、明日は本当に行くのか?これが最後と言って、ずるずる先伸ばしにしたりしないか?」
「・・・・・・・・・・・・これが、本当に、本当に最後なの。どうせ、いつかは別れると分かっているんだもの。諦めは、初めからついているわ。忘れることが、仮にできなかったとしても・・・」