EMERALD
困ったように笑う綾野に、世羅は親近感を感じてしまった
「住む世界とか、いるべき世界とか、違うことはいっぱいあったけど、私がいたいと思う世界は、彼の隣だったから」
「・・・・・・・・・・・・綾野さんは、強いんですね」
「どうして?」
「私には、無理です。その人の世界に踏み入ろうなんて勇気、私には・・・ありません」
悲しげにうつむく世羅に、綾野は少し考えて、優しげに微笑んだ
「その人のこと、本当に好きなのね」