EMERALD


腕に顔を埋め尽くしたまま、世羅は答える

涙が出そう

泣きたくないのに

涙が出るの


ねぇ、貴方にこの思いが分かるかしら?

貴方の世界を壊したくなくて

貴方の世界に踏み入る勇気がなくて


貴方の運命を、狂わせるのが怖いのよ?

綺麗で、美しく回る貴方の運命の歯車を、私が狂わせるのが、とても怖いの

だから、どうか・・・


今は、泣いてる私を見ないでほしい──


空に上がる花火が、2人の影を海に映していた


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