EMERALD
あの夜、世羅が着たドレスは、レオナード宅へと返されていた
ご丁寧に、靴やアクセサリーまでそえて
それらを眺めて、レオナードは小さなため息をついた
《殿下、片付けましょう。いつまでも、このままにはしておけません》
ドレスや靴を持ち上げて、ジャンがクローゼットにしまう
《あれ以来、セーラに避けられてるみたいなんだ》
《・・・・・・・・・偶然でしょう》
ジャンがドレスをしまって、背を向けたまま答える