EMERALD
冷たい風が、世羅の手にしていた紙を吹き飛ばした
「あ・・・!」
あれは、担任の岩本 松美から渡された、国外の大学のリスト
もう一度留学について考えてみないかと言われて、渡されたものだった
「あぁ・・・」
好意を無下にするわけにもいかず、受け取った矢先に、吹き飛ぶなんて・・・
世羅は早足で、遠くに飛ばされる紙を追いかけた
《・・・・・・紙?》
校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下を歩いていたレオナードの足元に、一枚の小さな紙