EMERALD
落ち着いた声のまま、世羅はレオナードからリストを受け取った
これが最後だと、自分の心に決めた
だから、今目の前に彼がいたとしても、【私】は【私】を忘れちゃいけない
「留学でも、するの?」
「・・・・・・気にしないで。私の進路だもの。殿下は自分のことだけ、考えていて」
その微笑みは、とても優しかった
けれど同時に、心が見えない
透明な壁が、そこにはできていた
「さよなら、殿下。拾ってくれて、ありがとう」