EMERALD


背を向けて、世羅は歩き出す


(どんなときだって、女は強いのよ・・・)


それは、夫を亡くした母が、泣いてばかりいた自分に言った言葉

そう、女は強い

だって今、彼女は笑って歩いているから───







季節はゆっくり、ゆっくり、真冬へと近づく

暑く照りつける太陽の夏は、遠い昔のよう


「日向、昼飯一緒にいいかぁ?」


美優がパンを3つと、紙パックのジュースを持って、世羅の机の前に立った


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