EMERALD


迷うことなんて何もない

今すぐ帰ろう


そう、言えた


《以前の、僕なら・・・ッ》


けど、今は言えない

二度と逢えない

彼女に、二度と逢えない


それが、その現実がいつか来ると分かっていながら、いざ来ると、躊躇ってしまう

逢えなくなるという現実が、胸を締め付ける


《僕は・・・・・・ッ》


迷うな

自分の立場を考えろ

1人の男じゃない

1人の、一国の王子だ


────迷うな


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