EMERALD


レオナードが振り向き、ジャンに笑いかける

その微笑みが寂しそうに見えたのに、後ろからさす太陽の光で、曖昧のまま


《26日の朝、ホテルまで僕を迎えに来てくれ。そのまま空港に向かう》

《はい。・・・失礼、します》


静かに閉められた、部屋の扉

レオナードは、涙が出そうになるくらい、心が苦しかった

床に座り込み、深く重いため息を漏らした

誰かを思うだけで、こんなに苦しくなるものだろうか?


< 466 / 627 >

この作品をシェア

pagetop