EMERALD
エレベーターが止まって、世羅は一歩踏み出す
すぐそこに、レオナードの待つ部屋がある
キーを見つめて、世羅は部屋の扉を開け放つ
「・・・・・・・・・こんばんは、セーラ」
「こんばんは、殿下・・・」
キーをテーブルに置いて、カードをレオナードに差し出す
「招待客は、私だけ?」
「そうだよ。不満かな?」
笑うレオナードに、世羅は違和感を感じた
いつものように優しく柔らかだが、どこか寂しそうな、諦めたような・・・