EMERALD


朝の光が告げるのは、新しい1日ではなく、別れ

ドアを叩いているのは、多分ジャンだろう

レオナードは、世羅よりも早く目を覚ました


《・・・・・・ジャンか》

《30分後に、迎えが来ますので、ご準備を》


ドア越しに、ジャンが落ち着いた声で伝えた


《分かった・・・》


シャツのシワを整えて、レオナードはベッドからおりる

軋むベッドの音に、世羅が小さな声を発した

その声に、レオナードは動きを止めた


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