EMERALD


その言葉は、決して言わないと決めていたはずの言葉

その思いは、決して告げないと決めていたはずの思い


起き上がり、名を呼んだ瞬間、レオナードは分かっていたように振り返り、世羅を抱き締めた


「さよなら・・・ッ。さよなら、レオ・・・・・・ッ!」

「うん・・・ッ。さよなら、さよなら・・・・・・セーラ!」


感じたのは、柔らかな唇の感触

初めての口づけは、涙で濡れていた

しょっぱくて、触れるだけの口づけ


< 490 / 627 >

この作品をシェア

pagetop