EMERALD
頬に、濡れた感触
────涙?
《まさか・・・》
あるわけない
あるわけ、ない・・・
けれど────
《セーラ・・・・・・?》
ベッドから降りて、レオナードは寝室を出る
肌を掠めたのは、爽やかな風
見れば、外へ出るためのガラス張りの扉が開いている
引き寄せられるように、レオナードはその先へと足を向けた
迷った、と思う
まぁ、迷路は迷わせるのが目的みたいなものなのだから、ある意味では、世羅は今、緑の迷宮を楽しんでる、ということになるのだろうか?