EMERALD
世羅が言う間もなく、視界が素早く変化した
引き寄せられ、抱きしめられて、世羅の体が強張る
しかし、すぐに緊張が解け、世羅は状況を理解するように、レオナードの背に手を回した
───暖かい
我慢していた涙が、滝のように絶え間無く流れる
《セーラ・・・?本当に・・・・・・・?》
夢じゃない
幻じゃない
それを確かめるように、レオナードは力強く世羅を抱きしめる
逃がさないように
消えないように
世羅がいなくなることを恐れるように、レオナードは抱きしめるその力を緩めない