EMERALD


「殿下。私は、逃げていたのかもしれない」


世羅が静かに語る


「結ばれないという現実から逃げて、自分の気持ちに嘘をついていた。でも、思いを告げることは罪ではないでしょう?」

「当たり前だよ」

「殿下には重荷になると分かっていて告げるのは、とても意地悪だと思うけど・・・」


世羅の手が、レオナードの手に触れる


「─────!」

「───私は、貴方が好きです。この思いを告げること。それが、ここへ来た本当の理由なのかも、しれません・・・」


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