EMERALD


それでも、離れた手を掴まずにはいられなかった


「殿下は、優しいから・・・」


泣きたいような、小さな声で世羅は呟いた

再び触れた手の温もりに、世羅は目を閉じた


「セーラ、僕は・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


うつむいて、世羅はレオナードの声を聞いていた

とても、懐かしく感じる

胸に刻んでおかなくては

明日になれば、もう聞くことはないのだから


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