EMERALD
クラウスの問いに、シルヴィアは笑いながら考え込む
《次の大公だからな。それ相応の身分の娘と結婚させるべきだろう。フリードのようにな》
《では────》
《しかし、今は王族だからといって壁を作ることを必要としない時代だ。あの馬鹿息子が望むなら、その他の選択肢もあるだろう。なぁ、クラウス?》
シルヴィアの答えに、クラウスは驚きの後、微笑んだ
《全てはレオナード殿下次第だと?》
《私はいつだって、子どもたちに自由を与えてきたつもりだ。あやつらがどう思っているかは知らんがな》